平成26年05月11日 広島市郷土資料館に行きました。
日清戦争時に臨時帝都となって以来、広島市内には陸軍関連の施設が次々に建てられ、陸軍に強く依存した軍事都市としての体裁を急速に整えていった。
現在郷土資料館として使われているこの建物もそれらの一つで、かつての旧陸軍糧秣支廠缶詰工場。
兵器支廠や被服支廠倉庫と同様、この地に工場があったのは宇品港(広島港)に近かったのと、干拓事業でまとまった土地を確保できたためでした。
建築としての洗練さは今ひとつながら、市内に残る旧軍施設で、しかも煉瓦造の建物は数が少ないため、土地の記憶を残すという文脈での保存は当然といえる。
ちなみに糧秣支廠には缶詰工場の他に同じくレンガ造の食肉処理場もあったが、こちらはカルビー広島工場として現在も使われ続けている。
原爆の爪あとが残る建物です。
爆心地から南南東3.2kmにあり、最大風速およそ28m/s、最大爆風圧およそ1.2t/㎡を受けたものと推定されています。
戦後、この建物は、広島市内に残る数少ない明治の近代洋風建築で、建築技術や意匠が優れていることなどから、広島市の重要有形文化財に指定され、郷土資料館として生まれ変っています。