平成26年05月11日 広島市江波山気象館に行きました。
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設計 伊達三郎 広島県建築課
竣工 1934年
広島市中区江波山公園内にある気象科学館です。
全国でも珍しい気象をテーマとした博物館で現存する被爆建物でもある。
建物の内外は一般に表現主義と呼ばれるスタイルで、曲線が多用され柔らかな表情を見せている。
殺伐とした昭和ではなく大正の優しいデザインだ。
特にエントランス周りの 一本の柱で庇を支えている逆円錐柱や観測塔の片持ち階段(RC造ならではの造形です)からは、建築家の「ここ頑張った」という声が聞こえてきそうだ。
一方でファサードにおける壁の割合が高く、気象台としての実用に耐える堅牢な造りがうかがえる。
一方でファサードにおける壁の割合が高く、気象台としての実用に耐える堅牢な造りがうかがえる。
このように極めて堅牢な構造であったため、被爆時も爆風の直撃に耐えた。
(ただし建物の全てのガラスが吹き飛んだという)
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北側(都心側)の壁面は改装時に手を加えずに保存されている。
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北側(都心側)の壁面は改装時に手を加えずに保存されている。
くすんだ色になっているのは、戦時中の迷彩塗装の痕跡とされる。塗った程度でごまかせるとも思えないが、江波山に高射砲陣地が設けられており爆撃対象となることが想定されていたためだろう。
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戦後になると、平和資料館を皮切りにモダニズム全盛となり、建築から装飾が失われていく。
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戦後になると、平和資料館を皮切りにモダニズム全盛となり、建築から装飾が失われていく。
それだけに広島に残るほぼ唯一の表現主義的建築として本作の存在は極めて貴重です。
建築ファンなら外せない広島のスポットと言える。